| No. |
詳細情報 |
| a01 |
その期にのぞみてもし後悔の一念もおこりぬべし。しからばなにの詮かあらん。上人もいけらば念 |
| a02 |
佛の功つもり、しなぱ往生うたがはず、とてもかくても、此身にはおもひわづらふ事ぞなきと心得 |
| a03 |
て、ねんごろに念佛して、畢命を期とせよとこそ、禪勝房にはさづけられけれ。鎭西の聖光房も、 |
| a04 |
自害往生、燒身往生、入水往生、斷食往生等の事、末代には斟酌すべしと、いましめをかれけると |
| a05 |
かや。ゆめゆめこのみ行すべからず、ふかく上人の勸化を信じて、念念相續、畢命爲期の行を、つ |
| a06 |
とむべきものなり |
| a07 |
第三圖 |
| a08 |
法然上人行状畫圖 第二十九 |
| a09 |
比叡山西塔の南谷に、鐘下房の少輔とて、聰敏の住侶ありけり。弟子の兒にをくれて、眼前の無 |
| a10 |
常におどろき、交衆ものうくおぼえければ、三十六のとし遁世して、上人の弟子となり、成覺房幸 |
| a11 |
西と號しけるが、淨土の法門をもとならへる天台宗にひきいれて、迹門の彌陀、本門の彌陀といふ |
| a12 |
ことをたてて、十劫正覺といへるは迹門の彌陀と。本門の彌陀は無始本覺の如來なるがゆへに。我 |
| a13 |
等所具の佛性と、またく差異なし。この謂をきく一念にことたりぬ。多念の遍數、はなはだ無益な |
| a14 |
りと云て、一念義といふ事を自立しけるを、上人、此義善導和尚の御心にそむけり。はなはだしか |